シマノの油圧ディスクブレーキ

こんにちは名東店です。

最近、ロードバイクの装着率も徐々に増えてきたディスクブレーキ。
リムブレーキに比べ制動力に優れ悪天候にも強く、リム選択の自由度が高いなどなど色んなメリットがあるのですが、メンテナンス性に不安を覚える方も多いのではないでしょうか?

今日は名東店で依頼をいただいたMTBの油圧ディスクブレーキ交換のお話です。

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車体はカナダのコアブランド、KONA(コナ)のハードテイルバイク。
里山やゲレンデでダウンヒルにご使用されていて、現在は街乗りメインだそうです。
最近オイルが漏れてブレーキが効かなくなったとのことで、今回ご相談をいただきました。

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ブレーキはHAYESのHFX-9。
懐かしいですね。大昔に僕がダウンヒルをかじっていたころ、同じブレーキ使ってました。
キャリパーとホースにはオイル漏れの形跡が見当たらなかったので、とりあえず一番怪しげなレバーを分解してみます。

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リザーバータンクの蓋とダイヤフラムが完全に腐食しています。ピストンのパッキン、小物もかなり傷んでいました。代理店へリペアパーツのストックがあるか確認してみましたが、さすがに10年以上前のモデルですので入手は不可能でした。

残念ですがHFX-9はあきらめ、お客様と相談の上、今後のメンテナンス性も考えシマノ XT(M8000)に交換することになりました。

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ローターはひどい摩耗やゆがみもなかったので、今回はそのまま流用します。
・ブレーキレバー BL-M8000
・キャリパー BR-M8000(パッドはあまり値段差もないので、放熱効果の高いフィン付きに)
・ポストマウント⇒インターナショナルのマウントアダプター
アダプターはULTIMATE(アルティメイト)とADVANCED(アドバンスド)の2シリーズあるんですね。知らなかった…形は同じです。ULTIMATEはレースユーザーさん向けで、若干軽量化されています。

オイルの注入にはシマノ純正のブリーディングキットがあると、作業がとてもスムーズに行えます。

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パーツが揃ったので早速取り付けます。キャリパーとレバーを仮組してホースの取り回し、長さを決めます。

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ホースをカッターでカットして、断面を整えます。ホースをバイスなどで固定して、コネクターインサートをホースに叩き込みます。

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キャリパーにホースを取り付け、ホースがねじれないように気を付けながらレバー側にも取り付けます。レバー側は、ホースをレバー押し付けながらコネクティングボルトを締め込んでください。しっかりホースが押し込めてないとオイル漏れの原因となりますので。

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キャリパーをフォークから外し、レバーからぶら下げます。ホースを一直線にしてエアー抜けを良くするためです。下(キャリパー側)からオイルを押し上げるので上(レバー側)に出てきたオイルを受けるジョウゴ(正式名称はオイルファンネルって言うんですね。無駄にかっこいい名前ですね。笑)をセットします。

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注射器にオイルを入れて、ブリードニップルに接続します。注射器内の細かな気泡もできるだけ取り除いてから接続するとあとが楽ですよ。

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ブリードニップルを7mmスパナで緩めて注射器のオイルを注入します。しばらく注入するとジョウゴにオイルが上がってきます。オイルに気泡が混じらなくなったら、ブリードニップルを締めます。

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注射器を外し、廃油用の袋かボトル(何でもいいです)をブリードニップルに接続します。レバー側のジョウゴはそのままです。ブルードニップルを緩めるとキャリパーから少しずつオイルが出てきます。この時キャリパーを軽くたたいたりホースをゆすったりして出来るだけキャリパー内のエアーを排出します。オイルに気泡が混じらなくなったらブリードニップルを締めます。

写真撮り忘れましたが、このあとブリードニップルを締めた状態で、ブレーキレバーを握りっぱなしで、瞬間的にブリードニップルを開け閉めしてキャリパー内の気泡を出します。(この瞬間開け閉めであまり気泡が出たためしがないですが、、)2~3回繰り返しブリードニップルを締めて、廃油用チューブを外します。これでキャリパー側の作業は完了です。

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あとは、ひたすらレバーを握ってジョウゴに気泡を上げていきます。ある程度エアーが抜けると握りにカッチリ感が出てくると思います。ここで「もういいかな~」と思うんですが、まだまだガマンです。しばらくして気泡が出なくなっても、キャリパー、レバーをいろんな向きにして叩いたり、ゆすったりしてください。かなりしつこく気泡が出てきます。

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気泡が上がらなくなったら、ジョウゴ底の穴に栓をしてジョウゴをレバーから取り外します。ジョウゴを外したネジ穴に、少しオイルを垂らして、溢れさせながらブリードネジを締めてください。この時に空気を一緒に締め込んでしまうと、一からやり直しになりますので注意してください。

溢れたオイルをふき取って完成です。最後にレバーを色々な角度にしてタッチが変わらないか確認してください。レバーの握りが変わっちゃうようなら、エアが噛んでるのでやり直してください。

エアーが噛んだままブレーキを掛け続けると、オイルの温度が上がった時に残っていた気泡が膨張します。そして突然ブレーキがスカって効かなくなりますのでご注意を。

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ちなみにシマノのディスクブレーキ用ミネラルオイルは左50ml(¥1301)、右1000ml(¥1879)というナゾの価格設定です。「価格が間違ってないか?」と、よくシマノにも問い合わせが来るそうです。

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完成!フレームサイズもコンパクトでGONZOでダージャンしても楽しそうですね。
納車の時につよくGONZOオススメしておきました。

シマノやAVIDのディスクブレーキはブリーディングキットさえあれば比較的簡単にエアー抜きが出来るので、油圧ディスク初心者の方にも扱いやすいと思いますよ。興味のある方は是非ご相談ください!

 

一応貼っておきますね↓

 

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