Tern Kitt Design Tri-spoke Wheel カーボンバトンホイール

アマゾン店担当者です。

以前この記事にてご紹介致しました小径車用カーボンバトンホイール。

一部不具合が発生したという報告が入った為に検査の為に暫く出品を控えておりましたが、漸く弊社在庫全ての検査が完了致しましたので出品を再開致しました。因みに不具合は先天的なもののようで、メーカーが指定する最大空気圧に到達する前に破損に至り、弊社でも6気圧程でリムが割れたというケースに遭遇しました。このホイールは8気圧までという制限がある中、試しに個人的に所有している同ホイールを約1ヵ月間8.5~9気圧程に設定してみた(1週間毎に空気補充)のですが、上に掲載したようなリム割れは勿論のこと、アルミのシングルウォールリムで見受けられるようなエア圧に負けてリムが膨らむような傾向も一切見受けられませんでした。今では7気圧に設定していますが、入手してからかれこれ8か月程経過した今も何ら問題なく使用しています。当たり前と言えば当たり前ですが。尚、後述する理由により空気圧は最大でも8気圧を限度として下さい。

とは言え、金属のリムに比べると気を配らなければならないことが多くなるカーボンホイール。ホイールに同梱されている使用上の注意事項を前提に、今一度のおさらいです。●印から始まる文言が代理店が記載している注意事項のほぼ原文、※印は補足となります。

●乗車前にはリム面の凹みや傷、割れ、カーボンの剥離等が発生していないかを必ず点検してから乗車して下さい。また、後述する空気圧を充填した際、リム面から異音が発生するなど異常や違和感を覚えた場合は直ちに乗車を中止して下さい。

※空気圧を高めるにあたって多少はパキパキと音鳴りすることはございます。しかしながらミシミシ音が続く場合はリム破損に繋がるおそれがあります。

●車輪は舗装路用に設計されている為、未舗装路でのご使用で車輪が変形、破損した場合は保証の対象外となります。また、事故などに伴う破損も同様に保証対象外となります。

※このホイールをご検討の方にとって想定されてはいないと思われますが、オフロードで走行されての変形や外的な要因による破損は製品保証対象外となりますよ、という意味合いです。段差の乗り上げやその逆に於いてどの程度のスピードでどの程度の体重でどの程度の高さ以内であればといった明確な規定も無いので何とも申し上げにくいところがありますが、段差がある場合は速度を少し抑えていただき荷重移動によってホイールにかかる負担を減らしてあげるか、不安であれば一旦運転を止めて段差を越える(または降りる)のが良いのでしょうね。

●適合タイヤサイズ

ETRTO 451: 1-1/8 ~ 1-3/8
ETRTO 406: 1.10 ~ 1.25

クリンチャータイヤのみの対応となります。

●チューブ:ラテックスチューブは使用しないで下さい

※後述するブレーキと関係するものとなりますが、ブレーキング時の摩擦熱によるリム温度の上昇とブレーキを開放した時の放熱性の問題から、ラテックスチューブだと溶けてパンクするおそれがある為です。
尚、バルブホールは仏式用となっており、バルブ長さは80mmあたりが目安となります。シュワルベ社のようにバルブコアを外せるタイプのチューブであれば中継ぎタイプのエクステンダーを使用する、バルブコアを外せないタイプのチューブであれば被せるタイプかシンクロタイプのエクステンダーを使用して80mmに近づけても良いですし、エクステンダーを使いたくないなという場合は80mmロングバルブのものをお探しいただくのも良いでしょう。弊社ではETRTO451、406共に80mmバルブのものも取り揃えております。ジテンシャデポ楽天店、ジテンシャデポamazon店にて「CST 補修チューブ 80mm」と検索いただくと該当のチューブが表示されるかと思われます。

●ホイールの最大空気圧は8気圧・・・タイヤとホイールでは指定される最大空気圧が異なります。このホイールの最大空気圧は8気圧であり、これ以上の空気圧を充填するとリムの破損等に繋がるおそれがございます。

※タイヤに指定空気圧があるのと同じでホイールにも最大空気圧が設けられています。空気圧はタイヤとホイールの最大空気圧の低い方を上限として下さい。

例1:タイヤの最大空気圧が10気圧の場合・・・8気圧が上限となります
例2:タイヤの最大空気圧が7気圧の場合・・・7気圧が上限となります

●ブレーキの使用方法・・・減速する場合は長時間ブレーキングをし続けることなく、必ず頻繁にブレーキを開放して放熱するようにブレーキングを行って下さい。

※特に長い下り坂といった状況下での長時間ブレーキを当て効きさせると摩擦熱が蓄積し、リムが変形するおそれがあります。弱く長いブレーキングは避け、強く短いブレーキングをすることで放熱性を確保して下さいという意味合いです。
ブレーキング時も然ることながらブレーキの調整がしっかり行われておらず片効き(左右どちらかのブレーキパッドが常にリムに接触している状態)が常に発生している状態ですと、ブレーキング時と同じく摩擦熱が蓄積してリムにダメージが発生してしまう可能性がございます。ご乗車前にはブレーキに偏り(片効き)が無いか、ブレーキに違和感が無いかをお確かめ下さい。
また、熱によりブレーキパッド表面が焼けて光沢が発生している場合はパッド表面を適度に削ると良いでしょう。

●ブレーキシュー・・・同梱しておりますTRP製のカーボンブレーキシューをご使用下さい。TRP製以外のブレーキパッドを使用して不具合が発生した場合につきましては保証の対象外となります。カーボンリム用ブレーキシューはアルミリム用と比べると消耗しやすい傾向にありますので、定期的に点検して下さい。

※メーカーの指定するブレーキシュー以外をご使用いただいた場合は自己責任になりますという意味合いです。

●Vブレーキでご使用いただく場合・・・同梱しておりますTRP製カーボンブレーキシューをご使用下さい。しかしながら同梱しておりますブレーキシューはロード用となります故、Vブレーキでご使用いただく場合は適合するパーツを別途ご用意していただく必要がございます。

※ブレーキシューホルダーについてはこちら←クリック をお読み下さい。

●取り付け可能カセットスプロケット・・・シマノ11速、10速及び9速・8速

※10速スペーサー(1.85mm)は商品に含まれています。11速の時はスペーサー不要、10速の時は10速スペーサーに加えて1.0mmロースペーサーが必要(概ねカセットスプロケット側に付属しています)、9/8速は10速スペーサーを入れて下さい。

●クイックレリーズ・・・付属していません

●その他・・・ハブ内部へは注油を行わないで下さい。グリスが流れ出し、ベアリングを痛める可能性があります。

代理店の注意書きは概ね以上となります。
その他実際に使ってみて気付いたことや注意した方が良いんじゃないかと思うことは

※ブレーキング時にかなり大きな音が鳴る・・・多少バラツキはあるのかもしれませんが、ドライ時もウェット時も激しい音鳴りが発生しました。これは少しトーインをつければ解消しました。

※Tern、DAHONなどにお取り付けの際、マグネットと共存出来ない可能性もあります。理由は以前の記事「Tern Kitt design 小径車用カーボンバトンホイール について」を御覧下さい。

※タイヤの取り付けは相当固いです。やむなくタイヤレバーを使用される際は金属のタイヤレバーではなく、面積が広めの樹脂タイヤレバーを使用されるのが良いかと思います。

※アルミリムでも同じことですが、リムが痩せてきたら寿命

タイヤやチューブ、チェーンやスプロケットと同様、ホイール(リム)にも寿命はあります。悪い意味合いで「雨垂れ石を穿つ」とでも言いましょうか、度重なるブレーキングにより長年使い続けるとパッドの当たる位置(ブレーキゾーン)が削れていき、平らであったリムのシューの当たる箇所が凹みます。これをリムが痩せたという表現としているわけなのですが、この状態ですとタイヤの空気圧に耐えられなくなり、リムが割れます。
どの程度の走行距離であるか、ブレーキシューを何回交換した時に起こるのか、といったことは個人差があることでしょうし分かりかねますが、たまにリム面を手で触るなどしてリムのブレーキゾーンをチェックしてみて下さい。

しかしながらこれはアルミリムでも全く同じことです。アルミリムだと雨などにより水の層が溜まった時はリムが削れやすい(刃物を砥石で研いでるような感じとでも言いましょうか。雨の日に乗るとブレーキ面が)、リムの削れたカスがブレーキシューに刺さっていることに気付かずにブレーキングを続けてブレーキゾーンの削れに拍車がかかることもあります。カーボンリムではそのようなことは無いでしょうが、砂利やガラス片を拾ってブレーキシューに刺さる可能性はありますので、ブレーキパッドに異物が刺さっている場合は除去して下さい。

※指定タイヤ幅の限度、特に上限は守った方が良い

※付着したグリスやオイルは必ず拭き取っておく

※大きな段差を越えたり衝撃が加わった時はチェックする。段差やグレーチングは極力回避する。

といったところでしょうか。
少し長々と書いてみましたが、私自身はさほど気にすることなく使用しています。どんなものでも寿命はありますが、使用方法を誤ったせいで壊れてしまうのは勿体無いですからね。個人的に今後も使用していく中で気づいたことがあれば都度記事にしていきます。正しいご使用方法に於いて保証期間内に不良が発生した場合は製品保証が適用されますが、判断するのはあくまでも代理店となります。販売する立場として、少しでもご参考になればと思いこの記事を書いてみました。

尚、現在弊社にある在庫分は外箱がテープで過剰に覆われているものがありますが、これは製品検査の為に弊社と代理店を行き来したことによる影響です。製品自体は間違いなく新品未使用品ですので、どうかご容赦下さいませ。