TUBOLITO(チューボリート) チューボロード

アマゾン店担当者です。

オーストリア・ウィーンで誕生した驚きの軽さと耐パンク性能、優れた携帯性を兼ね備えた革新的なチューブ。通常のブチル製インナーチューブに比べて約3分の1の重量で約2倍の耐突き刺し強度と耐パンク性能をもち、その薄さと軽さから携帯性にも優れるというオレンジ色のスゲーやつ。もうある程度出回ってますが、個人的にも入荷してからすぐ使ってみてある程度時間が経過したので、その感想と注意点を書いてみようかと。因みに使用しているのはチューボロードなのでロード用サイズでの内容となります。

まずはメリット。
やっぱ軽いです。持って軽い、乗って軽い。大体普通のブチルチューブが100-110グラムくらい、ウルトラライトなんちゃらとかパナレーサーのアールエアーあたりの軽量ブチルチューブで70前後から80グラムくらい(コンチのスーパーソニックでは確か50グラムくらいですが国内の正規品は無し)、ラテックスチューブで50-80グラムくらい。チューボリートはリムブレーキに使用できるものでも38グラム(バルブ長さ42ミリ)と39グラム(バルブ長さ60ミリ)、ディスクブレーキ専用のSチューボリートなら23グラム(バルブ長さ42ミリ)、24グラム(バルブ長さ60ミリ)。ラテックスではカーボンリムで使用することは推奨されませんが、チューボロードは使用しても問題ないようです。

次にエア抜け。重量的に近しいものですとラテックスの中でもミシュランではなくソーヨーやヴェレデステインのラテックスとなりますが、ミシュランでもソーヨーでもラテックスはかなりのスピードでエア圧が低下します。きっちり計測したことはありませんがミシュランとヴェレデステインのラテックスでは1日で1気圧は低下していたのに対し、チューボロードは通常ブチルとそれほど変わらない印象でした。後述するあることが発生するまでは。

そして小さくて軽いことから携行性に優れること。こんな高いチューブを補修用にするのは抵抗がありますが、ちょっとでも軽く小さく補修チューブを持っていきたいってときには役立つのではないかと思います。

デメリットは価格。国内上代価格はチューボで税抜き4300円、Sチューボで4800円。ソーヨーのラテックスでも高いのに、軽く上回っています。あと、耐久性。これは後述します。

乗り心地に関しては・・・特に良くなったとも悪くなったとも感じませんでした。どうせなら持ち合わせの中で最も軽くしてみようってことでパワーコンペティション+ヴェレデステインのラテックスからジラー+チューボロードに変えたので、イコールコンディションで試していないことに加え、私の感性が鈍いだけかもしれません。

耐パンク性に関してもまだ分かりません。
「約2倍の耐突き刺し強度と耐パンク性能」とのことですが、ラテックスがそのよく伸びるという柔軟性で突き刺しパンクに対して強い「柔」なのに対し、チューボロードは「剛」という印象。因みにパンク修理は専用のパッチキットがあります。ゴム糊を塗ってというものではなく、アルコールで拭いて専用のシール状パッチを貼るという方法となります。

バルブコアは物理的には外せるでしょうが、外してはいけない模様。延長したければ中継ぎタイプではなく、シンクロタイプか被せるだけのタイプになりますかね。

ホイールへの装着は特に何も難しいことはありません。普通のブチルチューブと同じようにセットするだけで、普通のブチルチューブと何も変わりないと感じました。ラテックス、特に使いまわしのラテックスの方がタイヤとリムの間に噛みやすく余程面倒。ただ、ラテックスは噛みこんだ状態でエア圧を高めてもブチルのようにバーストすることが無かったという経験をしたことがありますが、もしチューボロードが同じ状態であれば即バーストするでしょうね。
チューボロードはそれほど伸びないので、皴取りをする際には注意が必要です。普通のブチルチューブで必要以上に空気を入れる方がおられますが、チューボロードでは厳禁です。即刻バーストして、高級チューブが一瞬でオジャンになります。そもそも普通のブチルチューブでも必要以上に膨らませて皴取りをする必要はありません。必要以上に空気を入れて蛇が卵を飲み込んだようにいびつに膨らんで「このチューブは不良だ」なんていう感想を見聞きしますが、どれだけ空気圧を高めてもタイヤが裂けない限り内径以上にチューブは膨らみませんから、パンク修理でもする時じゃない限り無駄にチューブを伸ばさない方が良いと思います。
チューボリート・チューブの皴取りをする際の空気圧は0.5気圧まで程度で、耳たぶくらいの柔らかさが目安となります。

皴取り用に空気を入れるとしても、このくらいが限度。実際のところここまで入れる必要もありません。

このチューブを使いまわすにあたっての注意点は、適合範囲内でも一旦使用すればその太さ以上のタイヤに使用することらしいです。らしいってのは自分では経験していないので断言は出来ないってことなのですが、チューブについて代理店さんに確認したときにこのことに触れておりましたので、やはり書いておいた方が良いのかなと。例えばチューボロードでは23-28mm幅が適合範囲となるのですが、もし700×25のタイヤに使用したならば700×24や23には使用しないでねってことです。でも実際の幅より太いタイヤもあれば細いタイヤもあります。パナレーサーのジラーは細めですし、GP4000Sとか経年で太ります。実際に使ってみたタイヤの中ではIRCのアスピテプロRBCC 700×26よりもシュワルベ・ワンの700×25の方が太かったですし、この点は実際にやってみて判断するしかないんじゃないかと感じます。

ただ、チューブが太るのは事実です。数か月使用したチューボロードを外してみて新品と並べてみました。

ちょっと分かり辛いと思いますが、使用済みチューブを奥にして手前に新品チューボロードを重ねてみたのですが、使用済みの方が顔を覗かせています。

さて、ここで「発生したあること」です。

使用してからどの程度の時点であったかははっきり覚えていませんが、使用始めと比べるとエア圧低下が少し早いな(ラテックスよりちょい早いレベル)・・・と感じることがあり、とある日の朝に空気を入れてポンプヘッドを抜くと

バシューっとエアが抜けました。
ポンプヘッド側にバルブコアが付いてきて、バルブステム側を確認すると

亀裂が発生していました。
恐らくはポンプヘッドの抜き差しで少しずつストレスが蓄積していったのかなぁと。断言は出来ませんが、エア圧低下が早くなったのもこれが原因だったのでしょう。真鍮やアルミのバルブステムではポンプヘッドの抜き差しにそれ程気を使ったことはありませんでしたが、樹脂バルブではこんなことも起きるのか・・・と勉強になりました。因みに普段エア補充してる際に使用しているポンプはサーファスのFP200かトピークのジョーブロースポーツ2なのですが、

買うだけ買って全く使用していないこのアイテム(見る人が見ればとある箇所の材質で結構前に買ったんやなってバレますね)を使用してみようかな。何故これを試そうかと思ったことについては、またそのうち。
どのようなポンプでも問題はないかもしれませんが金属バルブに比べて樹脂バルブはかなりデリケートですので、一気に数千円が飛んでいかない為にもバルブステムへの抜き差しは慎重に行っていただいたほうが良いと思います。

リムテープ不要のリムでもリムテープは使用するようなことが書かれていましたが、本当に必要なのか懐疑的なので、今度はシャマルミレにチューボロードを使ってみることにしました。

バルブステムに付属しているOリングは、リムナットの替わりです。

使用していくにあたりまた気が付いたことがあれば書き記したいと思います。
これから導入を検討されている方や使用中の方にも何かお役に立てたならば幸甚です。